2007年01月29日

「ツボカビは両生類と一部の淡水エビに感染します」

の一部の淡水エビの詳細が全然みつからず
奥様から「テナガエビとヌマエビは感染するらしーよ」との情報を得たものの
なぜかちっとも元論文を発見できずにいたのですが,ようやくみつけました.
どうもPubMedにない文献は見落としがち.


The Amphibian Chytrid Batrachochytrium dendrobatidis
Occurs on Freshwater Shrimp in Rain Forest Streams
in Northern Queensland, Australia


ツボカビに耐性のないカエルは感染したら数週間で死んでしまいます.
そしてツボカビをくらって絶滅した個体群はかなりの数に上ります.
ホストが死んだら寄生生物は困るわけで
ホストが集団ごとご臨終なさったりしたら自分たちも終了の憂き目を見るはずで.
でもこのツボカビは終息どころか拡がり続けています.

短期間で個体群を絶滅に追い込むほど激烈なのにこれほどの拡がりを見せるのは
ホストから離れても生きていられるか他にもホストがいる可能性が高いわけです.
実際ただの水でも3週間は生きてるらしいし.
さらにヤツラは節足動物の外骨格にくっついて成長し得ることが観察されています.
しかもこの殻,オートクレーブ(高圧蒸気滅菌)済み.
それなら野外の生きてる節足動物ではどーなのよ
ってことで淡水エビを調べてみたというのがこの論文です.

論文ではツボカビにやられてピンチのカエルと同所的に生息する淡水エビで
定量PCR(リアルタイムPCR)によって感染状態を調べています.
Queenslandにある10kmほど離れた2河川の2属48個体を調べたところ
3個体でツボカビが検出されました.
Macrobrachium spp(テナガエビ)とCaridina zebra(ヌマエビ)の両属で
また2河川の両方でツボカビ陽性個体が確認されています.
しかも3個体の内2個体からはかなりごっそり検出された模様.


今回上陸が確認されたツボカビBatrachochytrium dendrobatidis
基本的には大人の両生類の表皮にある角化ケラチンを好むようですが
節足動物の外骨格のキチンでも成長増殖ともにいける可能性が高いです.
少なくとも彼らが調べた淡水のエビ2属の両方で感染が確認されており
他のエビで感染しないことは確認されていません. 
昆虫を含む水生の節足動物全般,キャリアとなる可能性があります.
あくまで可能性の話ですが.
その場合,何らかの両生類地域個体群が絶滅した後もかなりの長期間にわたって
水生節足動物キャリアによってツボカビがその環境中に残存することになります.
他集団の流入やCB個体群の導入による回復さえも非常に難しくなります.


「ツボカビを野外に出さない」という地味な行為の効果は絶大です.
出してしまった後で何をするよりも「出さないこと」が両生類を守ります.
飼育している人,野外を歩く人,今は消毒・滅菌をお願いします.
posted by nyorox2 at 20:55| Comment(3) | TrackBack(0) | ミカミネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2007年01月18日

ミカミネの危機ですよ

両生類の皮膚に取りついて悪さをするツボカビなる微生物が
ついに日本に上陸してしまったそうです.
アフリカ出身らしいこの真菌はこれまでアジア以外のいろんな地域で
たくさんの両生類を絶滅に追いやってきました.
カエルだけでなくイモリもサンショウウオもサイレンも感染報告があります.
ツボカビはケラチンを食らって皮膚構造を壊してしまうので
皮膚呼吸や表皮を介した体液調節に頼る両生類には致命的です.
宿主を離れても水の中で3週間以上生きているらしく
菌を持ってる個体だけじゃなく飼育水も感染源になるとのこと.
伝播経路が無数に考えついて暗い気持ちになります.
そんな恐ろしいものがあっさりやって来てしまいました.

大変だよミカミネ.


yes?.jpg

「なあに?」

誰かがツボカビ入りの水に入ったお魚を買ってきて
お世話の途中でその水が跳ねておまえにくっついたり
誰かがおまえの餌やりピンセットで汚染水槽の水草を植え直したりしたら
おまえも病気になってしまうかもしれない.
なにしろヤツラの気持ちいい温度はおまえの飼育温度と一緒なんだよ.
汚染した水をそのまま捨てたら外にいるお前の親戚もやられちゃうかもなんだよ.
大変だ大変だ大変だ.


what?.jpg

「・・・そんなの困るから下僕たちがなんとかして#」

・・・・・えと.
基本的に下僕たちにはなんとかするほどの能力はないのですが
不肖下僕,微力ながら予防と広報に努めたいと存じます.


怪しい場所に触れた手はオスバンなどで消毒しましょう.
怪しい物に触れた器具や水はハイターなどで滅菌しましょう.
熱湯消毒可能なものは熱湯にとっぷり漬け込みましょう.
怪しい場所を歩いた後は熱湯でも消毒薬でもいいから靴の裏も消毒しましょう.
フィールドを歩く人はポイント間のコンタミにも注意して下さい.
こっちの湖に突っ込んだ網をそのままあっちの池に突っ込んじゃダメよ.

そして両生類キーパーには既に周知の事実ではありましょうが
感染が心配な個体がいるときは非侵襲で簡単にしかも無料で検査が可能なので
WWFのQ&Aから獣医さんに相談して下さい.
治療も可能だそうですよ.
ツボカビについてさらに詳しく知りたい人はツボカビリンク集へ.

現時点でどこまで汚染が拡がっているのか詳細は不明ですが
うっかりあっちからこっちへ菌を持ち歩かないように気を付けないと
ほとんど固有種な日本の両生類が本当にいなくなってしまうよ.
汚染がまだ野外に拡がっていないことを祈りつつ可能な範囲で伝播予防しましょう.
両生類とはあまり縁のない方々もどうか少しだけ心に留めておいて下さい.
下僕からのお願いです.
posted by nyorox2 at 08:42| Comment(2) | TrackBack(0) | ミカミネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月14日

灯台下暗し

ミカミネはちっちゃいです.
餌はさらにちっちゃいシロワラジです.

なんかいる.jpg

みつけた模様.



なんかいた.jpg

意外と気付かないもんです.
posted by nyorox2 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ミカミネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2005年07月11日

チャームポイントはつぶらな瞳

新入りでしゅ.jpg

図中のバーは約1cm.
まあ人差し指の先にのっちゃうぐらいのサイズです.
名前はたった今ミカミネに決定しました.
三神峯生まれのミカミネです.
ホントにそんなんでいいのですか,奥様.

えと.
ミカミネは二ホンイモリです.
顔つきがちょいきつくなる方のイモリですね.
上陸直後でまだ雌雄の判別もつきません.
まだ通訳できるほど見つめ合っていないので
これからぼちぼちお互いをさらけ出し合っていこうかなと思います.
posted by nyorox2 at 00:00| Comment(0) | TrackBack(0) | ミカミネ | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

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